3-1株式会社の発展と経営機能の分化
3-1株式会社の発展と経営機能の分化
さてここから企業論の基礎的で中心的な内容になります。
1企業規模の拡大と株式の分散
株式企業の大規模化
株式の発行を増加する過程に伴って、多数の小規模株主が登場し、逆に大株主が減少する。→会社の支配から大株主が退く。
株式の分散:
株主が増加することにも伴って地理的に所有者が分散すること。
現在では株主のグローバル化が進んでいるため、国境をまたいだ投資がわれている。企業は国内だけでなく、海外の投資家まで意識した経営が求められている。
そもそも株式会社の優れている点は資本の証券化によって理論上、際限なく資本を獲得することが可能となる。
大規模で経営に関わる株主→機能資本家
小規模で経営に携わらない株主→無機能資本家・・・所有と経営の分離
会社の経営を担当する者→所有経営者
専門経営者の誕生
企業経営を大株主などの一族よりも、より専門的な経営能力を持つ経営者に任せるようになると、資本を大規模に支配していなくても、経営に携わる経営者が出てくる。
しかし、まだこの段階では、会社の支配は大株主の元にある。
会社の支配とは、経営者を任免する能力のこと、その他の経営に関わる実務的な意思決定を行う能力である。
従って、大株主(所有者)が専門経営者を任免することができる段階においては、所有者の支配が可能となっているのであり、このような段階は所有者支配と呼ばれる。
3所有と支配の分離
株式の分散が進むことで、大株主が消失し、小規模で多数の株主が増加する。
これによって、企業を支配し得る出資者がいなくなる。→所有者から支配が分離する。
このような段階では、経営者が他の役員の任免が可能となり、経営の他の意思決定も行うことが可能となるため、支配権は経営者が握ることとなる。
この段階が経営者支配の段階である。