3-3大規模株式会社の支配
1バーリとミーンズの調査
企業論でバーリとミーンズと言えば
大御所中の大御所
1932年に『近代株式会社と私有財産』でアメリカの巨大企業の所有・支配構造を研究した。
数にして全米企業の1%未満の企業が国富の20%以上を占めるといるという現状を重く見て、巨大企業を対象に調査が行われている。
これまでアメリカで通説となっていた、
企業の所有者が企業の支配者であるということが誤っており、
大株主が存在せず、企業が経営者によって支配されていることが示されている。
2究極的支配分類
支配形態について支配者形態か経営者形態かより細かく分析し分類。
ピラミッド型持ち株会社についても、元の所有者を辿り所有形態を判断した。
3経営者支配の進展
バーリとミーンズの経営者支配論に対してマルクス学派が主張する
大株主支配説、金融支配説などの論争が続くことになる。
しかし、ここでの焦点は
こうした経営者支配において、誰が経営者の権力を監視し、制御するかということである。
また、経営者支配が誰の目から見ても明らかになると、
株式会社が誰のためにあるものかについて論点が移り、後々のステークホルダー論へと続くのである。
感想
このテキストでは触れられていないが
所有と経営の分離が今でもいきているわけではない。
現在では、アメリカでは機関投資家の圧力が経営に影響を及ぼしている。
取締役が投資機関から派遣されることを考えると
現代においては、分散された権力が元のように
巨大資本に戻りつつあるとも言えるだろう。