覆面の世界、隙間の美
今日、授業でBanksyという画家を扱った。
彼はグラフティーアーティストで、
つまるところ、日本語に訳すと
落書きアーティストというもので、ロンドンの壁に政治的なもしくは社会的なメッセージを落書きするというスタイルをとっている。
時には、有名な美術館に勝手に侵入し、無許可で自分の絵をそこに飾るなどの奇抜な宣伝方法によってアーティストの栄光を手にした人物だ。
英国の現代アーティストに贈られる賞である、ターナー賞を受賞し、時の人物となった。
彼の落書きというスタイルは違法であるため、彼のバイオグラフィーは性別も含めてほとんど公開されていない。アノニマスってことである。
アノニマスというと、世界的なハッカー集団が思い浮かぶ。インターネットの時代が到来して早20年?くらい。
Web世界とは紛れもなく、覆面の世界だ。
インターネット世界では覆面をいいことに歯に衣着せぬ会話が交わされて、時には掲示板上で喧嘩が起こることもある。
また、少しの社会規範を外れた人によってたかって叩くという正義面をかぶった偽善者も多い。
無名の英雄、テロリスト。ゲリラ攻撃という隠れた脅威。革命家が不在の革命。
この21世紀の特徴は、覆面なのかもしれない。
昔、民俗学者の著作で面(めん)について触れているものがあり興味深かった。
面をかぶると、その人の人格は捨て去られ、身体が踊り出すというのである。
覆面は人体の可能性を広げた。
おそらく、それは人間が人間たる最大の特徴である理性を解放させるのに一役買っている。(理性が人間の所以だって!?)
覆面をかぶったとき、あなたの身体は踊り出すだろうか。
隙間の美
庭に向けて開放的に全面ガラスの窓もいいけど、小さい窓から切り取られたように木々がその窓の形に収まるのもいいと思う。
小さい空間でいかにその空間を上質にするかはこうした工夫が一役買っていると思う。
京都の寺社仏閣をめぐると、多くの建築物でこうした試みが見られる。
哲学の世界?ではまだ解明されてない謎を時々、隙間の神という。
これはざっくり云うと、科学では解明できない謎があるだから神は存在するのだ。と言うことで、現代では多くの人が否定するものだ。
単なる言葉のあやで、この隙間の美とはほぼ関係ないが、もし、隙間からの世界が美しいのだとしたら、それは解明されない美なのかもしれない。(なにを言っているのやら。)