さんぽ学派

大学生のあれこれ

カルトなバターコーヒー信者

少し前に、バターコーヒーというものが流行った。

オーガニックのバターとココナッツオイルとコーヒーを一緒に飲むというものだ。

使うバターには決まりがあるらしく、普通のバターではなく、グラスフェッドバターというものを使うほうがいいそうだ。

そしてこの油とカフェインの塊を飲めば痩せるという摩訶不思議な飲み物である。

下記サイトを参照すると、このコーヒーは

calori.jp

 

アメリで誕生し、海外で大流行していて、開発したデイヴ・アスプリー氏は体重を100キロも落としたのだそうだ。

 

まず上記のような宣伝文句に日本人は弱い。というより世界のありとあらゆる人が弱い。

まず、アメリと聞けばなんとなく先進的なイメージがある。

海外で流行するときくと、日本人には生来の海外を憧れる意識から無条件によいものだと認めてしまう。

デイヴ・アスプリー氏という固有名詞を聞くと信憑性がます。(知ったかぶりをするときの極意でもある。)

100キロという具体的な数字は真実味をもたせている。

以上の日本人に弱いものの勢ぞろいで攻めてこられたのだから信者が増えるのは時間の問題である。

先ほどの観点を全てネガティブに変えるとこうなる。

中国で誕生し、広東省で大流行していて、ある農民工は体重をけっこう落とした。

この先に続く文章の内容は鳥インフルエンザの蔓延か何かかと思ってしまう。

これらの地域の人には怒られるかもしれないが、現実的に大半の日本人はこうしたワードにポジティブな意味をあまり持たない。

物はいいよう、とはこのことである。

また、科学的根拠があるのかと問われればそれも疑わしい。

下記のニューヨークタイムズを参考にすると

www.nytimes.com

 

開発者の男性はその後、スマートドラッグと称して赤いライトを頭の上に乗せる装置を開発し、「ミトコンドリアを活性化する」と言っているそうである。

そんないい加減な人物が開発したものに踊らされているのだ。

また、先のこのサイトだが、

calori.jp

 

よく読み進めていくと、物販の催促の内容に途中から変化する。

俗にいうステママーケティングの世界ではhidden promotionというものである。

このサイトのさらに俗悪なところは専門家に聞いたとしながら、誰に聞いたか記載していないこと。(専門家に聞いたとしても、栄養学を研究し、データを徹底的に洗っても効果があるかどうか断言するのはかなり大変。新薬の作用順序の研究が複雑であるように)

こうした質の悪い情報にまんまと引っかかる人も多い。もしかしたら、というより確実に自分もどこかでひっかかっていると思う。

こうした弁論術のロゴス、エトス、パトスを悪用した情報が溢れかえっている。

疑う力をつけないといいように環境に操作されるようになってしまうのでないだろうか。