さんぽ学派

大学生のあれこれ

押し寄せる波、引いてゆく波

昨日、日本におられる知り合いの先生にメールをしていて改めて感じたのだが、

現在の東アジアビジネスの研究の主流は中国なんだそうだ。ひと昔前は東アジアの経営学のメッカと言えば日本で、そのマネジメントなどは東アジア研究において主要な位置を占めていた。

ここ、シェフィールド大学も当時は英国の日本研究のメッカとして名が知れた大学だ。だが、現在はその面影は薄い。大学の図書館に和書の蔵書があるもののどれも古びたものばかりだ。

それに打って変わり中国語の書籍もしくは中国について研究した英語の書籍は充実している。確かに、世界の売り上げ上位の企業にも中国企業が名が連なるように世界は中国という波に包まれようとしている。

 

ここ、英国に来ると如実にこうした世界の移り変わりがわかる。

もちろん、日本にいてもなんとなく世界の軸の変化というかそうしたものはメディアを通して分かるわけだが、こちらでは体感して肌感覚でわかるのだから、正直恐ろしい。

自分も日本も巨大な流れの中にいるのだと思うし、世界の中では日本なんて東洋の小国に過ぎないと感じる。

 

心配なのはこうした世界の波を肌感覚で知っている日本人がどれほどいるかということである。

留学生が少ないのは問題だと思う。根本的に英語など外国語学習に重点を置かなかった戦後教育のツケがきているのかもしれない。

 

数年経てば忘れてしまう社会の教科書を巡って論争するくらいなら、もっと実用的で、建設的な議論はできないのだろうか。

バブル崩壊からの暗黒の20年間、私たちは過去の勲章に精神的安堵を求めて進化を忘れてしまったのではないだろうか。